日本三大花火大会>全国花火競技大会、土浦全国花火競技大会、長岡祭り大花火大会

公開日: : 最終更新日:2016/07/21 祭り


日本の夏といえば花火大会です。年に一度のイベントとして組まれていることも多く、各地で盛んに行われていますが、その中でも競技性の高いものや花火の品評会として開催されているものもあります。そうした花火大会を、日本三大花火大会と称しています。

秋田・全国花火競技大会(ぜんこくはなびきょうぎたいかい)

全国花火競技大会は、秋田県大仙市の大曲地区、雄物川河川敷運動公園にて毎年8月第4土曜日に開催される花火大会です。大仙市はいわゆる平成の大合併で生まれた市であり、それ以前からの名称である「大曲の花火」として一般に知られています。全国でも最大規模の花火大会であり、同地区人口の10倍以上の見物客が訪れます。

この花火大会は、内閣総理大臣賞が与えられる日本煙火協会後援のものであり、そうした大会は本大会のほかには土浦全国花火競技大会だけとなっています。当大会のほうが格上とされており、全国花火競技大会といえばこの大会のことというほどの権威ある大会となっています。
特徴としては、当地が花火を見るには非常に良い環境であり、大迫力の花火を鑑賞できることが挙げられます。大曲地区は広い平野部であり周辺には河川敷のほかには田んぼと一般住宅がほとんどなことから、花火の鑑賞をさまたげるような街の灯りなどが皆無です。さらに会場の背後に姫神山などの山があり、花火の音を良い具合に反響させてくれるのも魅力となっています。また会場である河川敷公園は非常に広大で、観客席と花火打ち上げの作業スペースが広く取れるのも利点となります。
反面、秋田新幹線の停車駅であるJR大曲駅が最寄りにあるものの交通の便は悪く、道路は大渋滞し駐車場も不足することから会場に行くだけでもひと苦労であること、周辺には宿泊施設がほとんどなく年に一度しか来ない数万人規模の見物客の収容は不可能であること、当地にはツツガムシ病という風土病があり、防除に関して自治体が手をつくしているものの感染リスクはゼロではないことなど、訪れるには相応の準備と覚悟が必要な大会でもあります。
この地域は人口約4万人の過疎地であり、それ相応のインフラしかないことから70万人を超える見物客に対応できるものではなく、非常に激しい混雑となります。また移動に関しては長距離移動になることから、ある程度の体力と体調管理が必要となります。

大会内容は、夕方に開催される昼花火の部と、19時からの夜花火の部にわけられます。もちろんメインは夜花火となっています。競技会としては割物の部と創造花火の部で競われ、その合間に大会提供花火としてワイドスターマインという大型の花火が打ち上げられます。とくにワイドスターマインは大会の中でも人気となっており、全長500メートルの花火が音楽に合わせて何発も打ち上げられるという壮大なものとなっています。こうした花火が観覧席である河川敷の対岸から打ち上げられることから、さえぎるものがなく手が届きそうと錯覚するほどの間近で見ることができます。また、創造花火では丸だけでなく様々な形状の花火が打ち上げられ、そうした花火の発祥はこの大会であるといわれています。

大曲の花火は、1910年の諏訪神社祭典の余興からはじまります。1915年には全国花火競技大会と名を変え規模拡大を図ります。戦後すぐに大会が復活するものの客足は途絶え、水害などにより観光客は訪れませんでした。そのため地元民と花火業者だけが見に来るような大会となりましたが、過疎化が進む町のイベントとして宣伝されることで観光化が進み、秋田新幹線の開通によりさらに集客力がアップしました。近年ではNHKのBS放送で大会が生中継されるほどの知名度となっています。

茨城・土浦全国花火競技大会(つちうらぜんこくはなびきょうぎたいかい)

茨城県土浦市で毎年10月第1土曜日に開催される花火大会で、日本三大花火大会では唯一の首都圏開催となります。そのため観光客は非常に多く、毎年80万人が訪れます。日本煙火協会の後援による大会であり、内閣総理大臣賞が与えられる日本でただ2つの大会のひとつとなります。

会場は土浦市の桜川の河川敷で、18時から20時にわたり花火が打ち上げられます。荒天の際には順延されることもあります。また花火の出展においては事前選考がない自由エントリー制となっているのが特色です。競技はスターマインの部、10号玉の部、創造花火の部で競われ、テレビ中継も行われます。
首都圏なので比較的アクセスは容易で、臨時ダイヤや当日有料シャトルバスなどで対応されています。ただし、通常の路線バスが大会に合わせてルート変更をすることもあり、注意は必要です。

新潟・長岡祭り大花火大会(ながおかまつりだいはなびたいかい)

長岡まつり大花火大会は、新潟県長岡市で開催される祭りである長岡まつりのうち、夜に開催される花火大会を指します。非常に大規模な大会であることから、日本三大花火大会に数えられるほか、越後三大花火ともされています。この花火大会はほかの日本三大花火大会とは異なり、あくまで長岡空襲や中越地震などの自然災害への慰霊と復興の願いをこめた大会であり、競技会としての要素はありません。

長岡まつりは1945年の長岡空襲の復興を願い始められたものです。花火大会はそれとは別に、1879年に遊郭関係者が資金を出し合い花火をあげたのが最初といわれ、1906年から本格的な花火大会となりました。
まず8月1日に前夜祭として灯籠流しや神輿などの行事が行われ、慰霊の花火が上げられます。2日と3日には、日中に昼行事が行われ夜に信濃川の河川敷で大花火大会が開催されます。新潟は花火が盛んな土地柄であり、同県内の花火大会で花火の大きさを競い合うことがあります。長岡大花火大会でもその流れで花火のサイズがエスカレートしていきましたが、際限のない大型化には危険が伴うことから、ある程度の大きさで落ち着くかたちとなっています。
観覧に関しては、メイン打ち上げ場所の後ろに観覧席が設けられ、有料席のほか桟敷席などが用意されています。

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