日本三大勅祭>葵祭、岩清水祭、春日祭
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最終更新日:2016/08/01
祭り
日本の祭りのいくつかは神社の主催で行なわれます。毎年決まった日取りで催される例祭などがそれですが、そうした祭りの中でも天皇の使者である勅使(ちょくし)が派遣される祭を勅祭(ちょくさい)といいます
こうした勅祭のうち、古儀保存のために古いしきたりなどを参照して行なう特殊な祭りを特に三勅祭といい、江戸時代以前の慣例により束帯姿の勅使が派遣され、古式に則った姿をした人々により執り行なわれます。
ここでは、日本三大勅祭といわれる祭についてご紹介します。
京都・葵祭(あおいまつり)
葵祭は正式には賀茂祭といい、京都市の上賀茂神社と下鴨神社で5月15日に開催される例祭です。葵祭は賀茂氏と朝廷の行事として催され、庶民の祭りであった祇園祭とは対照的に貴族の祭りとして執り行なわれてきました。そうした背景から、王朝風俗の伝統を今に残す数少ない祭りとなっています。また貴族の見物が多く、源氏物語の中にもそうしたエピソードがあります。
賀茂神社では斎王代の行列が有名ですが、勅祭ということもあり行事としての主役は勅使となっています。
京都・岩清水祭(いわしみずさい)
石清水祭は京都府八幡市の石清水八幡宮の例祭で、毎年9月15日に開催されています。
石清水八幡宮は860年に創建された神社で、伊勢神宮と並び皇室の祖廟となっています。
もともとの神社は神仏習合の形式で祀られており、行事も仏式のものが多くあり、石清水祭も元は仏式の放生会(ほうしょうえ)という行事でした。放生会は、魚や鳥獣を放すことで殺生を戒める仏教行事であり、神仏習合により神社にも取り入れられたのです。
石清水八幡宮の放生会は、863年に始まり948年より勅祭として執り行なわれてきましたが、明治時代の神仏習合により禁止され、その名残が石清水祭として残っています。
2004年より、石清水八幡宮放生大会として、古来の儀式を復活しかつての様相をしのばせる形での祭りとなりました。
奈良・春日祭(かすがまつり/かすがさい)
春日祭は、奈良消しの春日大社の例祭で、3月13日に開催されています。
春日大社は藤原氏の神社であり、春日祭は藤原氏の祭として850年の創始から一族の権力の拡大とともに、どんどん大規模化していきました。戦国時代には没落し、江戸時代にも簡素化されていきます。明治時代に明治天皇の意向で復活し、現在の形式になるとともに、藤原氏の祭りではなくなりました。
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