日本三大急潮>来島海峡、鳴門海峡、関門海峡

公開日: : 最終更新日:2016/07/08 自然


日本では、古くから瀬戸内海において海運が発達してきましたが、その独特な地形から潮の流れが速くて複雑な難所がいくつかあります。そしてそのなかでもとりわけ激しいのが、日本三大急潮です。

愛媛県・来島海峡(くるしまかいきょう)

来島海峡は、瀬戸内海中部にある海峡で、愛媛県今治市とその沖の大島の間を隔てています。付近には糸山公園などの景勝地があり、大島の亀老山(きろうさん)山頂から見下ろす夕景の来島海峡が写真などでよく知られています。
海峡には大島以外にも複数の島があり、小島により4つの狭い水道、来島ノ瀬戸、西水道、中水道、東水道にわけられており、しかもそれぞれが大きく湾曲しています。そのために潮の流れが早く複雑になっており、ところによっては時速約18キロメートルの潮流となるとこともあり、全国的にも有数の難所となっています。それでいて、大型船舶であっても通らなければならないルートなので、「一に来島、二に鳴門、三と下って馬関瀬戸(ばかんかいきょう 関門海峡の別名)」と古くから唄われてきました。
このような難所にもかかわらず、1日の通航量は国内外の船舶を含め約1200隻にも上ります。潮流により通行する経路を変更する「順中逆西」という特殊な航行ルールが世界で唯一定められており、5箇所の潮流信号所が設置されるなど船舶の安全な航行のための努力がなされています。

現在では、しまなみ海道の来島海峡大橋がかけられています。この橋は第一から第三まであり、三連吊橋となっています。

徳島県・鳴門海峡(なるとかいきょう)

鳴門海峡は、淡路島と徳島県の大毛島(おおげじま)・島田島(しまだじま)の間にある海峡です。播磨灘と紀伊水道を結び、鳴門の渦潮で有名です。
海峡の最も狭い場所の幅は約1.4キロメートルで、北側には深さ200メートル、南側には深さ140メートルの海釜(かいふ)と呼ばれる深いくぼみがあります。さらに、海峡を挟む播磨灘と紀伊水道の間の潮時差がほぼ正反対となっており、水位差が最大で1.5メートルになることから、潮流の最大流速は時速20キロメートルになります。この潮流は日本最速であり、この影響で鳴門の渦潮が最狭部の下流側に発生します。渦潮は最大時で直径15メートルにもなり、観潮船による見物などが観光客に人気です。

また、自動車専用道路の大鳴門橋がかかっており、明石海峡大橋とあわせて陸路で本州から四国へ渡ることができます。

山口県、福岡県・関門海峡(かんもんかいきょう)

関門海峡は、山口県下関市と福岡県北九州市の間になる海峡です。地名の由来は、下関の旧称である馬関(ばかん)と北九州市の門司から一字ずつとったものとなります。関門海峡でも特に狭い場所として知られているのが壇ノ浦で、ここは源平合戦や馬関戦争の舞台として知られています。また、その幅の狭さから関門橋や関門トンネルなどはこの壇ノ浦のところで関門海峡を渡っています。また、決闘で有名な巌流島もあります。

関門海峡は狭く潮流の変化が激しいことから難所として知られていますが、瀬戸内海から東シナ海に出るためには不可欠な航路のため通航量が多くなっています。そのため、海上交通センターの関門マーチスがおかれるなど、安全を確保するための手が尽くされています。

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