日本三大喧嘩祭り>新居浜太鼓祭、伊万里トンテントン祭り、飾山ばやし

公開日: : 最終更新日:2016/07/08 祭り


祭りのなかには競争要素が強いものもあり、山車(だし)をぶつけあうなど激しい光景が展開されるものがあります。そうした祭りを喧嘩祭といい、勇壮で荒っぽい様相が人気となっています。そのような喧嘩祭のうち、有名なものが日本三大喧嘩祭りとされるものです。

愛媛・新居浜太鼓祭(にいはまたいこまつり)

新居浜太鼓まつりは、愛媛県新居浜市の秋祭りで、毎年10月16日から18日までの3日間を軸として、太鼓台(たいこだい)と呼ばれる山車が50台以上練り歩くという行事となっています。
新居浜太鼓祭の起源は定かではありませんが、平安時代から鎌倉時代から続いているという説があります。太鼓台はもともとは神社の御輿のお供でしかありませんでしたが、時代が下るに連れてだんだんとメインとなっていきました。太鼓台は高さ5.4メートル、長さ11メートル、重さ2.5トンほどという巨大なもので、豪華に飾り付けられています。これを総勢150人ほどのかき夫と呼ばれる男衆が担ぎあげます。この太鼓台に関する最も古い記録は1818〜1830年のものであり、歴史ある古い祭りとなっています。
太鼓台を担ぐのは男衆ということで、次第に対抗意識から喧嘩祭の様相を見せるようになり、財力・体力を競い合うようになっていきました。とくに見どころとなるのが「かきくらべ」で、太鼓台から車輪を外しかき夫の腕力だけで担ぎ上げ、その高さや耐久時間などを競いあいます。また、太鼓台の巡行も非常に勇壮なものとなっています。

佐賀・伊万里トンテントン祭り(いまりトンテントンまつり)

伊万里トンテントン祭りは、佐賀県伊万里市で毎年10月22日から24日にかけて行なわれ、神輿(みこし)と団車(だんじり)が市内各所で激突する勇壮な祭りです。
祭りの起源については諸説ありますが、香橘神社(こうきつじんじゃ)と戸渡嶋神社(ととしまじんじゃ)の争いが発端といわれています。それぞれ五穀豊穣、豊漁を祈願する神社であり、それぞれの例祭での揉め事が発生したことから、ルールを制定し喧嘩祭の形態となりました。1962年に香橘神社と戸渡嶋神社が合祀され伊萬里神社となったことで、ルールを刷新し現在の形となっています。

この祭りの特徴として、合戦というものがありました。祭りの神輿には和魂を祀る白神輿と荒魂を祀る荒神輿があり、荒神輿の方を合戦場でぶつけあうという行事を行なっていました。合戦の勝利条件は相手方を倒すか、上に乗りあげるかです。そのため、負傷者が出る激しいものとなっていました。
しかし2006年、当時17歳の男子高校生が死亡する事故が発生。男子高校生がルール違反である飛び入り参加と飲酒を行なっていたことから祭りの存続を問う事態に発展、ケンカ要素を廃して巡行のみを行う形となりました。2012年からは安全性を考慮した模擬合戦が行なわれています。

秋田・飾山ばやし(おやまばやし)

飾山ばやしは、秋田県仙北市の角館地域で行なわれる「角館のお祭り」での祭り囃子の名称で、この祭自体の呼び名とされることもあります。毎年9月7日〜9日に開催され、角館祭のやま行事として重要無形民俗文化財に指定されています。
角館のお祭りは当地の鎮守である神明社と成就院薬師堂の祭りで、町人が住む外町の行事として行なわれていきました。1694年の鹿島祭りとして記載が文献上の初出で、現在では7日に神明社の宵祭、8日に神明社の本祭と薬師堂の宵祭、9日に薬師堂の本祭が行なわれています。
角館のお祭りの特徴として、山車に置山と曳山があることが挙げられます。置山は神明社の鳥居前と薬師堂前などに安置され、曳山は毎年組み立てられるもので町内単位に運行されるものとなっています。この曳山を運行する際、曳山同士の通行権を譲り合わなかった場合、それをぶつけあう展開に発展することがあります。このぶつけあいはあくまで通行権を決めるためのもので、ぶつけあい自体が祭りのメインとするものとはなっていません。そのため観光用の激突行事が開催され、観光客の観覧に対応しています。

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