日本三大人工美林>天竜杉、吉野杉、尾鷲ヒノキ
公開日:
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最終更新日:2016/07/08
観光・景観
日本は山の多い地形のため、林業が盛んに行なわれていました。
天然の森林を利用するだけではなく植林などで人工的に形成された森林も多く、そうした森林のうちとりわけ立派で質のいい材木が取れるものを、日本三大人工美林としています。
人工林の特徴としては、天然林よりも2倍早く成長するため、建材としてよく使われるスギ、松、ヒノキが多いことがあげられます。
静岡・天竜杉
天竜杉は、天竜川流域の山間部に植林された杉林のことです。
天竜川は暴れ川であり、流域に頻繁な洪水をもたらしてきました。
現在でも、まとまった雨が降るたびにJR東海道線が遅延または運休するくらいであるため、昔はもっとひどかったことが想像できるでしょう。
天竜川の近代的な治水工事は明治時代に入ってから実業家である金原明善によって基礎がつくられました。
その過程で、荒れていた山間部の治水のためにスギが植林され、天竜杉の基礎となりました。これが、治水だけでなく林業のはじまりともなりました。
奈良・吉野杉
吉野杉は奈良県中南部の吉野林業地帯で産出される杉であり、国産材の高級ブランド材のひとつです。
吉野林業地帯の特徴は、ヘリコプターでの材木の運搬が行なわれるほどの斜面の多さと、木が過密に植えられた超密植であることです。室町時代末期から造林が行なわれ、豊臣秀吉による建設事業により多くの材木が搬出されるようになりました。
江戸時代には幕府の直轄地となり、江戸中期からは酒樽に用いられる材木の生産が盛んになりました。
代々間伐により育てられた森は「250年の森」として、森林セラピースポットとしても人気です。
材木としての吉野杉は、年輪幅が狭く節がなく色目が良いことから用材として高く評価されています。
加工しやすいものの乾燥により割れたり歪んだりしやすいため、高級家具ではなく身のまわりのものに使われます。
三重・尾鷲ヒノキ
尾鷲ヒノキは、三重県南部の熊野灘に面する尾鷲市で産出されるヒノキです。
尾鷲市は面積の90%が山林であり、国内でも降水量が多い地域であることから木が育ちやすく、江戸時代から林業の町として栄えてきました。
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