日本三大急流>最上川、富士川、球磨川

公開日: : 最終更新日:2016/07/08 観光・景観


日本列島は山の多い地形のため、流れの速い川が多く存在しているのが特徴です。
こうした川が長い年月をかけて山を削り、土砂を運んで現在ある地形を形づくっているわけですが、そのなかでもとりわけ流れが急なことで知られているのが、日本三大急流です。
三大急流として最上川(もがみがわ)、富士川(ふじかわ)、球磨川(くまがわ)がエントリーされていますが、実は日本で最も急流なのは富山県の常願寺川です。
しかしながら、知名度が低いという理由があるために、三大急流のなかには含まれていません。

山形・最上川

松尾芭蕉による「五月雨をあつめて早し最上川」の句で知られる最上川は、日本の急流の中でも最上級の知名度があるといってもいいでしょう。
しかしながら、最上川は全体にわたって流れが急なのではありません。

最上川三難所などの急流がところどころに点在していることと、前述の芭蕉の句から、ともするとすべてが急流というイメージをもたれがちなだけで、実際には山形県をほぼ縦断するほどの長い川のため、全体で見ると緩やかな部類に入ります。

最上川は山形県米沢市と福島県にまたがる吾妻山を源流とし、山形県中央部を北に流れ、新庄市付近で西に向きを変えて庄内平野に抜け、酒田市から日本海へ注ぎます。
ひとつの県だけを通る川としては日本では最長であり、かつては舟運の道として使われていました。

米沢藩の交易ルートであり、また内陸部の米や紅花を酒田から上方(近畿地方)に運びました。
また、流域の旧家には上方からもたらされた雛人形が多く残っており、当時の文化を偲ぶ貴重な史料ともっています。

船を運行するうえで難所となった最上川三難所、碁点、隼、三ヶの瀬は、いずれも村山市に集中しており、これらを通る最上川三難所舟下りが「急流」を体験する観光資源として人気を博しています。

静岡・富士川

平家物語でも語られる富士川の戦いでもよく知られた富士川は、山梨と静岡をつなぐ水運の要衝であり、西国と東国の境目でもありました。

富士川の上流域は釜無川と呼ばれ、源流は南アルプス北部の山梨県と長野県の県境にある鋸岳で、長野県富士見町を通り山梨県北杜市から甲府盆地に入ります。その途上で数多くの川と合流しますが、甲府盆地で笛吹川と合流してから先が富士川と呼ばれます。

富士川になってからは富士山の西側を通って静岡県に入り、東海道を通過し駿河湾に注ぎます。
全体的に流れが急な川で難所が多いものの、ルートが優秀なために古くから水運に利用されていました。

江戸時代には角倉了以などが開削事業を行ない水運の利便性を高め、富士川は周辺の米を江戸へ送る役割を果たしました。

明治時代には米の輸送がなくなり水運は衰退しますが、富士川運送会社の設立で盛り返します。
しかしながら、中央線の敷設と現代のJR東海見延線にあたる富士見延鉄道の開通により、完全に役割を終えました。

熊本・球磨川

球磨川は、熊本県球磨郡水上村の石楠越と水上越を源とし人吉盆地を西進、九州山地の狭隘な谷間を縫うように流れ、球磨村で北に進路を変えて八代平野に出て三角州を形成、八代海にいたります。

もともと熊本は球磨郡と呼ばれており、加藤清正により熊本と改称された歴史がありますが、球磨川に関しては元の名前を残しています。

とくに球磨村のあたりが急流として知られ、そのポイントが76瀬と呼ばれていました。
現在は治水のためのダム建設などにより、48瀬となっています。
一方で、人吉盆地の一部は流れが緩やかなところもあり、カヌー大会が行なわれています。

急流のため大きな岩がひしめき、船の通行には適さない川でしたが、1662年相良氏22代当主の叔父である林正盛が私財を投げうって開削事業を実施し、困難な工事の末に川舟の通行ができるようになりました。
それ以降、外部との交通と物流の要となり、参勤交代にも使われるなど地域の発展に大きく寄与しました。

鉄道や道路の整備、林業の衰退、ダム建設による水量の減少で水運は縮小し役割を終え、現代では観光のために川下り船が運行しています。
水運がなくなった現在でも、工業用用水や生活用水、水力発電などで、球磨川は人々の生活に深く関わっています。

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