日本三大天神>太宰府天満宮、北野天満宮、大生郷天満宮

公開日: : 最終更新日:2016/08/26 神社・仏閣

天神は、日本でも人気のある神で、学問の神として菅原道真公を祭神としています。天神を祀る神社を天満宮といい、学問の神ということで、とくに受験シーズンを迎えると参拝者の数が多くなり、また毎月25日は「天神さま」として縁日や市場が開かれるなど、たくさんの人々に親しまれています。
そしてその人気から、天神とは関係のない神社にも天満宮が勧請(かんじょう)された小さなお社がつくられていることが多々あります。
天満宮のうち、とくに有名なものや由緒のあるものを、日本三大天神といいます。

福岡県太宰府市・太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)

太宰府天満宮は、福岡県太宰府市にある神社であり、天満宮の元祖として天神様のお膝元とも呼ばれています。
祭神である菅原道真は、非常に優れた学者であり、政治家としても優秀でしたが、901年に政敵である藤原時平(ふじわらのときひら)の陰謀により大宰府に左遷されました。その2年後に道真は死去しますが、都では疫病や異常気象が相次ぎ、道真の祟りとして恐れられることになりました。そのため、919年に道真の霊を鎮めるため、墓所の上に社殿を建てたものが、太宰府天満宮のはじまりとなります。そうした経緯から、太宰府天満宮は菅原道真の廟所として、天神信仰の中心となりました。
15世紀頃になると、祟りへの恐れが薄れてきたこともあり、道真が学者であったことから学問の神として信仰されるようになり、現在にいたります。また道真は、和歌にも通じていたことから、文化の神様としても信仰されています。

太宰府天満宮の紋は梅であり、これは道真が「東風吹かば にほいおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」の歌で知られるように、梅の花を好んでいたことに由来します。天満宮の本殿前には、樹齢100年を越える飛梅と呼ばれる神木があり、それにちなんだ行事や名物が多くあります。
また天満宮では牛を神使(しんし)としており、その由来は諸説あり定かではありませんが、臥牛像といって伏せた牛の像が多く置かれています。
この特徴は各地の天満宮にも共通しており、どこの天満宮でも境内には梅が植えられ、臥牛像が置かれています。

京都府京都市・北野天満宮(きたのてんまんぐう)

北野天満宮は、京都市上京区(かみぎょうく)にある神社で、「天神さん」とも呼ばれます。大宰府天満宮とともに天神信仰の中心であり、全国各地の天満宮は主にここから勧請されたものです。
菅原道真の怨霊を鎮めるために947年に朝廷により建てられた神社で、藤原時平の甥である藤原師輔(ふじわらのもろすけ)の手により、壮大な社殿となったといわれています。
室町時代に幕府に攻められて焼け落ちますが、豊臣秀吉のころには北野大茶会が開かれるなど勢いを盛り返し、江戸時代には学問の神として広く信仰されるようになりました。
毎年2月25日には、菅原道真の命日にちなみ梅花祭という行事が行なわれ、周囲には屋台や市が立ち並びます。毎月25日にも二十五日祭として縁日が開かれ、多くの人でにぎわいます。

ほかの京都の神社と同様に、北野天満宮も多くの国宝や文化財を擁しています。とくに国宝である「紙本著色北野天神縁起」は、菅原道真の栄華と左遷、道真の怨霊といわれた怪異と北野天神の創建までのストーリーが描かれており、天神信仰の成り立ちや当時の怨霊信仰について知る史料となっています。

茨城県常総市・大生郷天満宮(おおのごうてんまんぐう)

大生郷天満宮は、茨城県常総市大生郷町にある神社で、関東と東北にある天満宮としては最も古い天満宮とされいます。日本三大天神の3番目は一般的には山口県の防府天満宮(ほうふてんまんぐう)ですが、説によってはこの大生郷天満宮が挙げられることがあります。それは、ここに菅原道真の遺骨が祀られていることからです。
929年、菅原道真の第3子である景行(かげゆき)がこの地で父の遺骨を祀ったのが由来といわれます。
現在でも篤く信仰され、受験生が多く参拝に訪れるほか、初詣でもたくさんの人でにぎわいを見せています。

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