日本三大長谷観音>秋田県・長谷寺(ちょうこくじ)、神奈川県・長谷寺(はせでら)、奈良県・長谷寺(はせでら) ?

公開日: : 最終更新日:2016/09/18 神社・仏閣


日本国内には、長谷寺と書いて「ちょうこくじ」または「はせでら」と読む寺院がたくさんあります。同じ名前でも宗派はいろいろで、真言宗や天台宗といった密教系、浄土宗、曹洞宗が中心となっているようです。ただ、本尊は十一面観音であることが多く、ほかの仏が本尊であっても観音堂が大きく扱われているなど、観音菩薩との関係が深いことは共通しています。
長谷寺で祀られている観音菩薩は、右手に水瓶、左手に数珠と地蔵菩薩の錫杖を持ち、四角形の盤石の上に立つ様式をとっており、長谷寺式十一面観音、または長谷観音と呼ばれています。その中でとりわけ有名なものを日本三大長谷観音としています。

秋田県由利本荘市・長谷寺

長谷寺(ちょうこくじ)は、秋田県由利本荘市赤田(ゆりほんじょうしあかた)にある曹洞宗の寺院です。この寺に安置されている十一面観音立像は、高さ9メートル、木製金箔押しの威容を誇るもので、赤田大仏(あかただいぶつ)と呼ばれています。
長谷寺は1775年に亀田藩の僧・是山泰覚により創建され、観音像は1784年に鎌倉長谷寺の本尊と同じ木から掘り出された小仏を胎内仏として制作され。1786年に完成しています。1888年に火災で消失しますが、再建されています。1986年に本庄市の有形文化財に指定されています。

赤田大仏の最大の特徴は、200年以上続く当地の伝統行事、「赤田大仏祭り」にあります。この祭りは8月21日と22日にかけて行なわれ、長谷寺と赤田神明社の合同で行なわれます。五穀豊穣、家内安全を祈願する祭で、赤田大仏の胎内仏を神輿に納め集落を練り歩くという、神仏習合の形態となっています。
このような神仏習合の祭祀は明治時代に神仏分離政策によって全国的に廃されており、赤田大仏祭りはかつて日本中で見られたであろう信仰の形を残しているのです。また、神輿の道中には踊りや獅子舞などの伝統芸能を奉納されます。
こうした行事や伝統芸能の貴重さから、赤田大仏祭りは秋田県の無形民族文化財に指定されています。

長谷寺へのアクセスはJR羽後本荘駅からバスで25分、自動車であれば日本海東北自動車道の大内JCTから約5kmとなっています。広い駐車場があり休憩所兼物産館が隣接しているほか、肝心の大仏は無料で拝観できます。

神奈川県鎌倉市・長谷寺

長谷寺(はせでら)は、神奈川県鎌倉市にある浄土宗系の単立寺院です。本尊を十一面観音とし、長谷観音と呼ばれています。
長谷寺の創建は不明な点が多く、伝承によれば736年とされています。大和の長谷寺を開いた徳道を藤原房前(ふじわらのふささき)が招き寄せ、十一面観音を本尊として開山したとされています。この仏像は大和の長谷寺と同じ木からつくられたとされています。
この寺の鐘には1264年の銘文があることから、鎌倉時代には存在したことがわかっていますが、中世の沿革などは不明です。1342年には足利尊氏(あしかがたかうじ)による修復、1392年には足利義満により観音像の光背を修復し行基(ぎょうき)の作とされる像を前立(まえたち)として安置しました。1547年には北条氏康(ほうじょううじやす)の寄進を受け、1591年には徳川家康から朱印状を受けています。1607年の徳川家康による伽藍修復の際、浄土宗に改宗しています。関東大震災の際に多くの建物が倒壊し、現在のものはそれ以後の再建となっています。

奈良県桜井市・長谷寺

長谷寺(はせでら)は奈良県中部にある桜井市初瀬(さくらいしはせ)にある真言宗の寺院です。本尊は十一面観音。大和と伊勢を結ぶ初瀬街道を見下ろす初瀬山の中腹にあります。牡丹の名所として知られ、古くから花の御寺と称されており、『源氏物語』や『枕草子』、『更級日記』などの古典文学に登場します。とくに、源氏物語のエピソード内に登場する二本の杉(ふたもとのすぎ)は現存しています。

長谷寺の創建について詳細は不明ですが8世紀前半と考えられています。伝承によれば、686年に僧・道明が初瀬山の西の丘に三重塔を建立、727年に僧・徳道が東の丘に十一面観音像を本尊として祀ったのが開山とされています。平安時代中期以降は観音霊場として貴族の信仰を集め藤原道長(ふじわらのみちなが)も参拝しておるほか、中世以降には庶民や武士にも信仰が広がりました。
本尊の十一面観音像は1538年の再建で、10メートルを超えるサイズは国宝・重要文化財に指定されている木造彫刻としては最大のものとなっています。

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