日本三大下り宮>草部吉見神社、一之宮貫前神社、鵜戸神宮

公開日: : 最終更新日:2016/08/16 神社・仏閣


日本の神社は、鳥居をくぐったあとの参道が上り坂になっていることがほとんどで、少し高いところに本殿が位置しています。石段が有名な神社も多いですが、そこまで高くはなくても数段程度の石段が必要な程度に盛られていたり、もしくは平地になっていたりといったケースが一般的です。
しかし、物事には常に例外があるもので、本殿が鳥居の位置より低くなっている神社も存在します。祀る対象を入り口より低い位置に置くというのも不思議なものですが、鳥居をくぐった先が下り坂になっていて、その先に本殿があります。なぜこうした構造になっているのか理由はわかっていませんが、このようなつくりの神社を下り宮といいます。
下り宮の中でも有名なのが、日本三大下り宮です。

熊本県・草部吉見神社(くさかべよしみじんじゃ)

草部吉見神社は、熊本県阿蘇郡高森町(たかもりまち)にある神社です。
草部吉見神社の祭神は日子八井命(ひこやいのみこと)で、神武天皇の子とされています。古事記などに記載がある皇族で、こうした記紀神話にまつわる神社が多いのが九州をはじめとした西日本の特色でもあります。日子八井命は神武東征の際にこの地を訪れ、池の大蛇を退治し埋めて館を建て、その館の壁が草を束ねてつくられていたことから、この地方を草部と呼ぶようになりました。また、「此社吉宮床(ここぞよきみやとこ)」という言葉を残したことから、吉見神社という社号となりました。
この神社が下り宮になっているのは、こうした由来によるもので、元が池であったことから周囲より低くなっています。

群馬県・一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ)

一之宮貫前神社は、群馬県藤岡市一ノ宮にある神社で、鏑川(かぶらがわ)の河岸段丘の上に鎮座し、正面参道から石段を上り、総門をくぐったところから石段を下る下り宮の構造となっています。
祭神は経津主神(ふつぬしのかみ)と姫大神(ひめおおかみ)ですが、過去には稚日女尊(わかひるめのみこと)女神が主神であったという記録があり、社殿にも女神を祀っている神社の特徴があります。12年ごとの式年遷宮や、鹿占神事(しかうらしんじ)などの多くの特殊神事が執り行なわれています。
創建は社伝によると531年とされ、室町時代の書物には677年と記載されています。また明治以前の歴史書には抜鉾神社(ぬきほこじんじゃ)と貫前神社(ぬきさきじんじゃ)の2つの名で記録されており、それが現在の神社の前身と考えられています。1017年に朝廷の使者が遣わされ、中世には武家の崇敬を集め、江戸時代には徳川家の庇護を受けて今の社伝が整えられています。明治時代に、現在の名称に改められています。
社殿には多くの重要文化財があり、鹿占習俗は国の重要無形文化財に指定されています。また、藤原秀郷(ふじわらのひでさと)が戦勝祈願のために奉納されと言われる樹齢1200年の藤太杉が天然記念物に指定されています。

宮崎県・鵜戸神宮(うどうじんぐう)

鵜堂神宮は、宮崎県日南市(にちなんし)にある神社で、日向灘(ひゅうがなだ)に面した断崖の中腹にある岩窟内に本殿が鎮座しており、参拝するには崖に設けられた石段を下らなければならないという、珍しい下り宮の中でもかなり際立った特徴を持っています。
祭神は山幸彦の子で神武天皇の父であるヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコトのほか、大日霊貴(おおひるめのむち 天照大御神)、神武天皇などとなっていおり、日向国らしく記紀神話に由来した神が多く祀られています。
神社の創建年代は不明ですが、古代より海洋信仰の聖地であり、782年に天台宗の僧により社殿が再建され、平安時代には西の高野とも呼ばれ神仏習合の両部神道の聖地として栄えました。中世以降は当地を治める武士の崇敬を受け社殿の修復や建て替えなどが行なわれ、明治元年に仏教要素を排除し神社となりました。
古来よりの神事は明治時代の神仏分離令で途絶えたために、現在では神道式で行なわれており、3月末の日曜に行なわれるシャンシャン馬道中などの行事が有名です。

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