日本三大熊野＞熊野大社、熊野速玉大社、熊野那智神社

日本国内の各地には、熊野三山を大本とする熊野神社という神社が多数存在しています。熊野神社は山岳神姫や修験道と関わりが深く、日本国内では八幡神社や稲荷神社、伊勢神宮を頂点とする神明神社と並び、広く信仰されている神社です。
熊野神社のうち、信仰の中心となるものを日本三熊野といいますが、日本三大熊野というくくりで以下の神社を挙げることもあるようです。

山形県・熊野大社（くまのたいしゃ）

熊野大社は、山形県南陽市にある熊野神社の通称です。社伝によると806年の再興とされ、創建はそれより古く全国各地に国分寺が建立された741年頃と考えられています。また、平安時代末期に平維盛（たいらのこれもり）により創建されたという説もあります。この地を治める大名であった伊達氏、最上氏、上杉氏の崇敬を受け整備がおこなわれてきました。また神仏習合により寺を名乗るようになり、熊野修験の霊場として栄えました。
明治時代に神社となり、今にいたります。

和歌山県・熊野速玉大社（くまのはやたまたいしゃ）

熊野速玉大社は、和歌山県新宮市にある神社で、熊野三山のひとつです。
熊野三山はいまでこそ神社ですが、「山」という言葉がついているように、神仏習合の影響で仏教色の強い信仰形態を持っていました。3つの神社のことを総称して熊野三山といい、熊野本宮大社（くまのほんぐうたいしゃ）、熊野速玉大社、熊野那智大社が並び立つ形で信仰の中心となってきました。

和歌山県・熊野那智神社（くまのなちたいしゃ）

熊野那智大社は、和歌山県新宮市にある熊野三山のひとつであり、那智の大滝をご神体とする神社です。滝への原始的な信仰にはじまる神社であるため、熊野三山のなかでは最も遅い創建とされ、また修行場として扱われていたことから神社として認知されるのもあとになってからと考えられています。
熊野三山のほかの2社とともに平安時代までに浄土教と結びついた信仰の中心として、皇室や貴族の崇敬を集めますが、承久の乱で支持者の多くが敗者となったことから、一時は衰退することになります。そしてその後、修験道が発達すると勢力を盛り返し、江戸時代には多くの参拝者でにぎわうようになりました。
明治時代に神仏分離令により神社となり、現在の形となっています。