名所・グルメに出会う旅>愛媛県今治市

公開日: : 最終更新日:2017/07/16 四国地方

名所編

愛媛県今治市と言えば今治タオルが名産品として有名です。
そして、風光明媚の瀬戸内海の島々を結ぶ「瀬戸内しまなみ街道」も、今治市に直結しています。今回は、瀬戸内海を望む今治市の名所のご紹介をしていきます。

今治に建つ日本三大水城「今治城」

今治城は、1602年(慶長7年)に戦国武将で城作りの名手と言われた、藤堂高虎によって築城が開始されました。
海水を城の堀に引き入れて、三重の堀や港などを備えた造りは、、高松城や中津城とともに日本三大水城の1つに数えられており、別名吹揚城(ふきあげじょう)とも呼ばれています。

明治維新によって、内堀および主郭部の石垣だけを残し、城のほとんどは取り壊されましたが、1980年(昭和55年)に本丸、二ノ丸が復元され現在の様相になっています。
今治城の5層6階の天守閣は、展望台や展示室になっています。

ここには、武具、甲冑、刀剣など2,500点が常設されており、4Fには企画展示、3Fには書画展示、天守2Fには武具や絵図などが展示されています。

◆ 営業時間午前9時~午後5時
◆ 利用料金:500円
◆ 公式ページ:http://museum.city.imabari.ehime.jp/imabarijo/

瀬戸内海の勇者たち、「村上水軍」とは

村上水軍とは、南北朝から戦国時代にわたり、瀬戸内海で活躍した海の王者です。
総称して三島村上氏と呼ばれ、能島・来島・因島の三家から成り立っていました。
3家それぞれが、堅い結束で結ばれた同族意識を持ち、活躍していたそうです。

戦国時代になると、村上水軍は小船を海上で巧みに操り、主に火薬類の武器を駆使した戦闘を得意とし、瀬戸内海の領域を手に入れていました。
非戦闘時には、瀬戸内海の海上運輸や安全確保に徹し、海の安全や交易・流通を担う役割を果たしていたと言われています。

大島にある村上水軍博物館の2階にある資料展示室では、能島村上水軍の活躍を古文書や復元品を通して村上水軍を紹介しています。
博物館は、甲冑や小袖を実際に着用する体験ルームや、3階展望デッキからは能島城跡や周囲の美しい景色を望むことができます。

◆ 公式ページ:http://www.city.imabari.ehime.jp/bunka/suigun/index.html
◆ 大人 300円【開館時間】午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

瀬戸内海の絶景を望む「来島海峡展望館」

今治市糸山公園には、世界初の三連つり橋である来島海峡大橋の眺望が楽しめる場所があります。
公園は、日本三大潮流のひとつ来島海峡を望む「しまなみ海道」の今治側の拠点で、公園内には、遊歩道や展望台もあります。

展望館からは、瀬戸内海に点在する島々や来島海峡、そして来島海峡大橋を見渡すことが出来ます。
来島海峡の潮流は、時速10ノット(時速約18km)に達することもあるそうです。
荒々しい激流の中を巨大な船舶が、潮流に押されながらも進んでいく様子は圧巻です。

グルメ編

愛媛県今治市の、昔から伝わる伝統料理と地元絶品グルメのご紹介です。

瀬戸内武将の味わい「水軍鍋」

14世紀~16世紀頃、いわゆる室町時代から戦国時代、瀬戸内海を席捲していた村上水軍。
村上水軍は、出陣時に必勝祈願と士気向上のため水軍鍋という鍋を食べたそうです。

現在、この鍋は愛媛県の今治市や広島県因島市に郷土料理として伝わっています。
「水軍鍋」とは、瀬戸内海の蛸、海老、蟹、牡蠣などを鍋に入れて昆布の出汁で煮込んだ鍋料理です。

魚介類は、季節に応じて変化はあるようですが、瀬戸内の急流に揉まれた身の引き締まった蛸は、具材として欠かせません。
これは、「八方の敵を喰う」という昔からの言い伝えからだそうです。
鍋の仕上げは、鍋に麦飯を入れ雑炊にして食べるのが水軍流と伝えられています。

謎めいた郷土料理「せんざんき」

せんざんきとは、愛媛県今治市や新居浜市に伝わる鶏の骨付き唐揚げのことです。
何故謎めいた料理なのかと言いますと、江戸時代に近見山にいたキジを使ってつくったという「せんざんキジ」説があるからなのです。

しかし、今治藩に関する史書には、近見山にキジが生息していたことは記載されているものの、そうした料理を食したという記述はないからなのです。
その説がどこから出てきたのかは不明のままなので、いつ頃からの郷土料理なのが謎というわけなのです。

ただ、1930年代に入ってから、鶏料理の際に残った骨付き肉にタレを付けて揚げたのが、現代の「せんざんき」の始まりとされている事実はありますので、およそ80年以上の歴史はあるわけです。
骨から出る旨みと、タレの下味が揚げることで肉にしみ込みカラッと揚がった唐揚げはとても香ばしく口に入れるとジューシーな味が広がる逸品です。

今治人の気質が生んだ「今治焼き鳥」

今治の焼き鳥は、串に刺さず鉄板焼で焼くのが基本的スタイル、そもそもこのスタイルとなったのは、今治の人の「せっかちな気質」にあると言われています。
今治はタオル業界の職人さんや他の商売の人たちの、多くの人がとにかくせっかちだそうです。

そこで、スピーディーに美味しい焼き鶏をということで、鶏肉を鉄板の上に載せ肉の上に取っ手付の鉄板で、上から押しつぶすようにギューギューっと鉄板を押しつけながら焼いていくのです。
こうすることで、余分な脂は出ますので中はジューシーで、外はカリッと焼きあがるようです。
肉からしみ出た脂で揚げたような香ばしい旨みが絶品の「今治焼き鳥」です。

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