名所・逸品に出会う旅>愛媛県松山市

公開日: : 最終更新日:2017/02/08 四国地方

名所編

街を優しく見守る日本の城は、江戸時代まで数多くありましたが、明治時代の廃城令により、現在はほとんどの城が取り壊されてしまいました。
それでも天守閣が今でも残っている城が、国内には12城ありそのうち四国には4城あります。

時をかけた城、松山城の魅力

松山城は、標高約132メートルの小高い山に建つ存在感のある松山市のランドマークタワーです。
松山城は、豊臣秀吉の家臣だった加藤嘉明が慶長7年(1602年)に築城を始め、25年の歳月をかけて造り上げていきましたが、完成間際に出羽国(今の山形県)へと国替えを言い渡されてしまいます。
松山城の特徴は、「登り石垣」という「万里の長城」と同じふうに山腹から来る敵の侵入を阻止する防備手法防を用いて築かれています。
市内をパノラマ的な眺望で見渡せる天守閣からの眺めは、まさに絶景で市内の街並だけでなく、天気が良いと瀬戸内海に浮かぶ島々なども見ることができる眺めの名所です。

松山のもう一つの魅力「道後温泉」

日本最古の湯のひとつ道後温泉は、なんと3000年の歴史を誇る歴史深い温泉地です。
兵庫県有馬温泉、和歌山県白浜温泉に並ぶ日本三大古湯に数えられています。
神代の昔、大国主命(おおくにぬしのみこと)が、旅の途中に体調を崩した少彦名命(すくなひこなのみこと)を道後の湯を浴びたところ回復されたという言い伝えがあり、これが道後温泉のはじまりと言われています。
道後温泉本館には、「神の湯」と「霊の湯(たまのゆ)」の2種類の湯があります。
霊の湯は、神の湯に比べると小ぶりですが、壁に大理石を使った造りとなっています。
3階個室の一角には、夏目漱石が道後温泉を過ごした当時のイメージで「坊っちゃんの間」と言う部屋があります。
湯を浴びた後に「坊っちゃんの間」でくつろぎ、漱石気分を味わうのも楽しいでしょう。

コンセプトは「伊丹十三の家」

商業デザイナー、雑誌編集長、作家、役者、映画監督と様々な顔を持つ伊丹十三氏は、中学から高校卒業まで、父である映画監督伊丹万作氏の故郷松山市で過ごしました。
現在、その松山市に「伊丹十三の家」をコンセプトに作られた記念館、伊丹十三記念館があります。
常設展示室は、名前にちなんで13のコーナーがあり、伊丹氏の多様な分野に携わった仕事の数々や音楽愛好家、乗り物マニア、料理通であった多彩な趣味を紹介しています。
映画監督の一面だけでない伊丹十三氏の人となりを、この記念館で認識してみませんか。

●住所: 愛媛県松山市東石井1丁目6番10号
●営業時間:10:00~18:00 定休日:火曜日 料金:大人800円
●公式サイト:http://itami-kinenkan.jp/

逸品編

愛媛県松山では、瀬戸内海の豊富な海産物を利用した郷土料理などを堪能することができます。

生の鯛を使った漁師飯「活き鯛めし」

新鮮な鯛の刺身を醤油と出汁と生卵の中へくぐらせ、薬味と一緒にそのまま温かいご飯に汁ごとかけて食べる「活き鯛めし」。
生卵と鯛の旨みの絡み合い、とてもまろやかな味わいとプリプリした鯛の歯ごたえ、
このハーモニーの美味しさは、まさに絶品の逸です。
「活き鯛めし」は、漁師飯と呼ぶこともありますが、南予地方(宇和島周辺)が発祥の地で、その昔海賊が敵に見つからないように、このような食べ方をしたことが始まりだともいわれています。
南北朝時代から江戸時代にかけて活躍した、伊予水軍もよく食べていたそうです。

瀬戸内の魚をたっぷり使用したちらし寿司「もぶりめし」

松山では、祝い事やお客様をもてなす時、ちらし寿司を供する風習があります。
ちらし寿司なのに「もぶりめし」と呼ばれるのは、松山では混ぜることを「もぶる」と方言でいうことからきています。
「もぶりめし」の特徴は、エソやトラハゼといった小魚でとった出汁と甘めの合わせ酢を寿司飯に使用します。
そして、刻みアナゴや季節の野菜などを酢飯に混ぜていき、その上に錦糸卵をちらして季節の魚をたくさん盛り付けていきます。
料理店によっては、小魚の他にウニや車エビを使って、見た目を豪華仕上げることもあるようです。
各家庭によって、若干作り方が異なりますが、松山の代表的な郷土料理として根強い人気のあるちらし寿司です。

手間をかけた郷土料理「フカの湯ざらし」

南予地域(愛媛県南部)の沿岸部には、酢味噌でホシザメの切り身を食べる『フカの湯ざらし』という郷土料理があります。
酒のつまみや皿鉢料理の一品として供されますが、調理は非常に手間と時間がかかります。
まず、サメの頭と内臓を切り取って身を低温のお湯につけ、ステンレスのたわしで鮫肌を除去していきます。
取り除き終わりましたら、身を食べやすいサイズにカットし、サメのアンモニア臭を
濃い塩水に2時間つけて抜いていきます。
そして、切り身の中まで火を通さない程度にお湯にくぐらせます。
最後に流水で2時間塩抜きをして、氷水で1時間しめて完成です。
食用時は、麦味噌にカラシと酢を加えた酢味噌につけて食べます。
朝から始めて、夕食に間に合うといった感じで時間のかかる郷土料理の一品ですが、
淡白な味のサメにピリっとした辛さのある酢味噌がよく合い、あわせてこんにゃくや豆腐、季節の野菜などを添えて食べます。

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