名所・グルメに出会う旅>石川県加賀市

公開日: : 最終更新日:2018/08/16 北陸地方

名所編

福井県と石川県の県境に近い加賀市は、古くから名湯の地として知られる「加賀温泉郷」や大自然が織りなす風景美などの景勝地があり、観光客でにぎわうエリアです。

名湯に浸かりながら、観光スポットをゆっくりと巡る加賀の旅の見どころ名所をご紹介していきます。

文人や芸術家も逗留した加賀温泉郷4つの温泉地

加賀温泉は、「片山津温泉」「山代温泉」「山中温泉」「粟津温泉」の4か所を総称して呼ばれている名称です。

かつて、松尾芭蕉や北大路魯山人、与謝野晶子が逗留した温泉地としても有名です。
それぞれの4つの温泉地には、4つの泉質があり各温泉地には「総湯」と呼ばれる共同浴場がありますので、 各温泉の「総湯」を巡って泉質の違いをまさに肌で感じ取ってみるのはいかがでしょうか。

片山津温泉 総湯(旧 片山津温泉街の湯)

外観のほとんどがガラス張りなので、周辺の柴山潟や森などの自然を感じることのできる総湯です。

柴山潟に浸かっているような解放感のある「潟の湯」と、緑広がる森の景色が楽しめる「森の湯」の2つの浴室があります。(泉質:含塩化土類食塩泉73℃)

粟津温泉総湯(粟津だけ所在は小松市)

開湯1300年という歴史のある、雑木林のある丘陵に囲まれた総湯で、肌にやさしい美人の湯として多くの人たちに親しまれています。(泉質:硫酸塩泉55℃)

山中温泉総湯(菊の湯)

湯が低温でさらっとした入り心地が特徴の温泉地で、この湯を芭蕉も大変気に入っていたと言われる温泉です。(泉質:含石膏芒硝泉48℃)

山代温泉総湯

多くの文化人に愛され、九谷焼でも知られる温泉地であり、「古総湯」にはステンドグラス、漆塗りの壁、九谷焼の床タイルなどが再現されており、明治の頃の「総湯」の雰囲気を楽しむことができます。(泉質:含石膏食塩芒硝泉66℃)

季節ごとの楽しみを感じる風景「鶴仙渓」

鶴仙渓は「加賀温泉郷」の一つである山中温泉近くにある景勝地です。
石川県内を流れる大聖寺川中流付近にある渓谷で、多くの緑の森に囲まれた渓谷と川の流れによってつくり出された奇岩が織りなす景色は、とても素晴らしい眺めと言えるでしょう。

鶴仙渓の全長1.3キロの峡谷には、S字型をしたデザインの「あやとりはし」や、総檜造りの「こおろぎ橋」などが大聖寺川に架かり、散策しながらそれらの橋を見て巡ることができます。

散策中には奇岩や滝に遭遇できるという歩いていて飽きの来ない変化に富んだ場所であり、秋になると素晴らしい彩の紅葉も楽しめます。

また、周辺には松尾芭蕉を祀った「芭蕉堂」や、書院造りの武家屋敷、尾形光琳の作品を展示した「無限庵」もあり歴史と文化に触れることもでき、夏場には鶴仙渓に川床がオープンしますので休憩をしながら大自然を楽しめる趣向も味わえます。

鶴仙渓は、このように数々のスポットが豊富で、まさに見所満載の名所です。

グルメ編

石川県は日本海と自然豊富な山に囲まれた地域です。
そこで生まれ親しまれてきた名産の逸品には、海と山の幸が取り入れられています。
加賀の旨味豊富な味わいをご紹介していきます。

加賀の伝統食にも欠かせない旨味「いしる」

石川県能登に伝わる独特の調味料である醤油に似た「いしる」は、加賀料理の隠し味ともいわれます。
「いしる」は、イワシやイカの内臓を塩漬けにして、ひと夏の期間に熟成させて自然発酵した汁を煮詰め濾してつくりあげていきます。

加賀料理に欠かせない独特の味わいを醸し出すのが、この「いしる」という動物性蛋白の熟成ものです。
旨味成分たっぷりな味わいを持ち、新鮮な素材の味を引き立たせることから、貝料理などによく使用されます。

たとえば、ホタテ貝の殻を鍋代わりに利用して「いしる」で、キノコやイカ、甘えび、大根などを煮ながら食べる「いしるの貝焼き」は絶品な味わいです。

いわしの多様な食べ方を可能にした保存食の逸品「こんかいわし」

「こんかいわし」は、うるめいわしや真いわしを塩づけした後、脱水して糠や糀で塩蔵加工させた加賀の特産品です。

もともと、糠につけた「いわし」は能登に古くから伝わる伝統の保存食です。
糠を少しつけたまま焼くと、非常に香ばしい香りを放ちます。

糠を洗って薄くスライスしたものを生のままでも美味しいですし、酢をかけたり、焼いたものを小さくちぎったりして、ご飯の上に乗せお茶漬けにするのもまた味わいがあります。

加賀の漁師が古くから食べてきた「メギスの浜煎り」

山と海に囲まれた加賀は、昔から農業と漁業が盛んで「メギスの浜煎り」は、漁に出た時に船の上でその場で調理し食べていたものだそうです。

「メギス」とはこの地域の呼称で、形が「キス」に似ているところからつけられました。

海水で煮煎りするだけというシンプルな料理なのですが、新鮮な魚であることから生臭さは全くなく、調理も簡単であることから家庭料理として人気のあるメニューです。

加賀の恵まれた海と山の幸を工夫した郷土料理「加賀料理」

加賀の海の幸や山の幸を美しい器に盛り付けたのが、「加賀料理」です。

「加賀料理」と言うと加賀百万石のイメージからたいそうな豪華な料理という高級なイメージにもなりますが、かぶら寿司や治部煮など料理のほとんどは、庶民的な郷土料理です。

庶民的な料理ではありますが。それらをご馳走として魅力的に見せているのが、九谷焼や蒔絵を施した漆器などの器に盛り付けです。

目で料理の美しさを味わい、口で素朴ながらもしっかりとした素材の良さを堪能する逸品が「加賀料理」です。

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