名所・逸品に出会う旅>福井県坂井市

公開日: : 最終更新日:2016/11/30 北陸地方

名所編

福井県は、日本海に面した自然に恵まれた地域です。そして福井には、脈々と歴史を物語る観光スポットがあります。

築城から、既に400年以上の歴史を持つ天守閣

天正4年(1576年)柴田勝家が、織田信長の命を受けて甥である柴田勝豊に築城させた丸岡城の歴史は、城主は17代の有馬道純(1855年~1869年)まで続きました。
丸岡城は「平山城」として、小高い丘(標高約17m)に立地しています。現存する天守閣の中では、最も古い時代のものとされています。
天守閣は本丸の南西部にあり、外観は二層建てで城の内部は三層構造の望楼型天守閣の造りとなっています。
天守から張り出したかたちで、天守の石垣を登ってくる敵に石を落としたりする「石落とし」、天守の壁面に空いている小さな穴や小窓である「狭間(さま)」を備えるなど、まさに戦国時代に建てられた城らしく、敵に対する守りの備えをもつ城でした。
天守閣は、ふもとから約35mの高さにあり、丸岡の町並みや坂井市の田園風景が望めます。また、天気の良い日は日本海まで見渡せる名城です。

●公式ページ http://www.maruoka-kanko.org/
●入館料:大人300円
●JR福井駅から京福バス本丸岡行きで約40分

福井を支えてきた港町「三国湊町」

福井駅より「えちぜん鉄道」に小1時間ほど乗ると、三国湊町へ着きます。
この地は、朝倉氏の南北時代から港町として繁栄し、その後柴田勝家も地の利を活かし水運を重視して町を発展させました。
江戸中期になると、海運事業が遠方へとその区域を広げ「北前船交易」が始まるようになり、三国湊町はその公益の中継点として大きく発展をしました。
そして、湊町には北前船を所有する廻船問屋は豪商となり、また様々な商店が町に軒を並べ大きく発展していきました
現在も、三国湊町は江戸時代の風情を残す古い町並みがあり、ノスタルジックな風景に包まれています。
旧市街地豪商の屋敷跡などが残されている中、ひときわ目立つ洋館が廻船業を営んでいた豪商、森田氏が経営した旧森田銀行本店の建物です。
1920年に建造された本店は、近年まで森田銀行がその後合併した福井銀行の三国支店として使用されていました。鉄筋コンクリート造2階建の福井県内に現存する最古の鉄筋コンクリート造りの建物です。外観は茶系のタイル貼りで西洋の古典主義的デザインを施し、天井には豪華な漆喰模様で飾られています。
現在は登録有形文化財に指定され、無料で開放されていますので、映画のセットのような100年近く前の時代をご覧になってはいかがでしょうか。

●旧森田銀行本店  福井県坂井市三国町南本町3-3-26
●入館料:無料

夕陽が素晴らしい三国サンセットビーチの温泉地

三国湊町の駅から徒歩5分の位置に、日本海に沈む夕陽を見ながら温泉に入れる施設や温泉旅館が数多くあります。そのうちのひとつ、日帰り利用が出来るのがオーシャンビュー温泉施設「三国温泉ゆあぽ~と」です。
泉質は、ナトリウム、カルシウムの塩化物泉で、神経痛などに効能があるようです。
日本海に面していることから、晴れた日の夕方になると色鮮やかな夕陽を眺めながら、湯に入ることが可能です。

●住所:福井県坂井市三国町宿2-18-1:三国港駅から徒歩約5分
●定休日:第3水曜日(祝日の場合は翌日)・電話番号:0776-82-7070
●料金:大人\500・公式サイトURL:http://www.yourport.biz/

逸品編

日本海に面した福井県には、昔ながらの逸品があります。それは、江戸時代に遡る逸品です。

福井の海の逸品と言えば「越前ガニ」

福井県の越前町や三国町の漁港では、「越前ガニ」の解禁日である11月6日より禁漁の3月中旬までの期間、毎日カニ漁が行われます。
「越前がに」は、福井県で水揚げされたズワイガニのオスのことで、ちなみにメスは「セイコガニ」と呼ばれます。
福井県のズワイガニ漁の歴史は国内で最も古く、江戸時代には幕府に供する領地内産物のひとつとされていました。現在ズワイガニは、全国各地にあるカニの中でも、特に美味であることから皇室に献上されている唯一のカニとなっています。
真っ白なカニの身は瑞々しく弾力があり、甘みとほのかに脂も感じとれる逸品です。
メスのセイコガニは、カニ肉の美味しさもさることながら、魅力的なのは外子と内子の濃厚な味です。カニ好きの方には、もう堪らない味わいです。

じっくりと漬け込む若狭地方の郷土料理「鯖のへしこ」

若狭の家庭で作られている郷土料理「鯖のへしこ」は、長期の保存食として江戸時代中期から作られていました。
福井県では、冬は日本海の荒波で漁に出られない日も多いので、貴重なタンパク源として活用されているのが「へしこ」です。
魚を樽の中に圧し込むように漬込むので、若狭地方の言葉で「圧しこむ」ことを「へしこむ」と言い、そこから「へしこ」と呼ばれる様になったそうです。
若狭地方に伝わる保存食「鯖のへしこ」は、鯖の旨味が凝縮されてた地元で愛され続けてきた逸品です。
軽く炙って食べると、糠の香ばしさと鯖の旨味は深みのある味わいです。
薄くスライスして大根に挟んで、辛口の冷酒のあてにも相性がいい逸品です。

江戸時代からの郷土食「越前おろしそば」

福井といえば、冬の年越しそばを冷たいおろしそばで食べる習慣があります。
それくらい福井で蕎麦と言えば「おろしそば」が有名ですが、「越前おろしそば」は、江戸時代から続く歴史ある北陸の郷土食なのです。蕎麦は、やせた土地でも育つことから、南北朝時代から蕎麦作りが奨励されていました。その頃の蕎麦は、そばがきのようなモノで、現在のような麺になったのは関が原の合戦後の慶長6年(1601年)に、府中(越前市)の城主となった本多富正が、蕎麦職人を同行させてからと言われています。
そして、富正が食べていたのが、蕎麦に大根おろしを添えた「おろしそば」だったようです。
蕎麦にたっぷりの辛み大根のすりおろしが、ほどよく絡みあう味わいは、とてもさっぱりとして味わいです。また、大根に含まれる辛味成分が代謝をアップさせますので、体にも良いそうです。
坂井市の「おろし蕎麦」は、大根おろしの汁とダシを合わせたものをそばにかけるという方法で食べるそうです。
大根おろしの汁だけで、蕎麦におろしが載っていないのですが、辛みの強い汁が蕎麦の香りを引き立てる旨みがあるとのことで、人気の逸品となっています。

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