名所・逸品に出会う旅>栃木県栃木市
公開日:
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最終更新日:2016/11/03
関東地方
名所編
栃木県栃木市は、東に筑波山、西に太平山、北に日光連山と山間の中の街です。
街中には、江戸、明治、大正とそれぞれの時代の面影を残す歴史的建造物が建ち並んでおり、別名「蔵の街」と呼ばれています。
栃木市に、なぜ蔵が多いのか?
栃木市は、江戸時代より京都から日光東照宮へ幣帛(へいはく=神前の供物)を奉納する勅使が通る道、例幣使(れいへいし)街道の宿場町として栄え、市の中心部を流れる巴波(うずま)川を利用した交易で繁栄し、北関東の商都と呼ばれていました。
そして、栃木市に蔵が建ち並ぶきっかけは、市内を流れる巴波川を利用した船運が盛んになったからなのです。
舟運の始まりを作ったのが、徳川家康の霊柩を日光山東照宮への改葬の時、河岸に荷物を陸揚げしたことからだそうです。
交易されたのは、江戸からは日光御用荷物、鮮魚、塩などが運ばれ、栃木からは木材、麻、木綿などを運び行き来したそうです。
船運が発展していくことによって、栃木の地は江戸と栃木の物資輸送だけではなく、関東と南東北の流通を結ぶ要の地域としてますます栄えるようになっていきました。
この船運の交易で財を成した豪商たちが、それぞれに蔵を建て始めたことで「蔵の街」として、商業で栄えた町の風情ある風景が出来上がりました。
歴史を物語る街の建造物たち
栃木駅から北へおよそ1キロ歩くと、蔵が建ち並ぶ中心街となります。
蔵の街には、蔵だけでなく歴史を物語る建造物やそれにまつわる記念館などが、たくさん建ち並んでいます。
それは、塚田歴史伝説館、岡田記念館、あだち好古館、山本有三ふるさと記念館、とちぎ山車会館、横山郷土館など11館もあります。
その中でその展示物がユニークで人気の高いのが「塚田歴史伝説館」です。
「塚田歴史伝説館」は、以前は木材回漕問屋として栄えた塚田家の家屋でした。
現在は、その塚田家に伝承されてきた貴重な資料が、公開されている博物館となっています。
展示室に焼き物や屏風などの塚田家の家宝も展示されており、時代の栄華を知る貴重な展示物です。
そして、博物館の展示物の中でとてもユニークな存在は、三味線をひきながら語り部となるおばあちゃんの様相をしたロボットや、人柱伝説である「うずま川悲話」を話すおじさんロボットなどです。巴波川沿いの120メートルあるの黒塀の伝説館のある敷地内には、8つの白壁土蔵と数奇屋造りの離れや庭園もあります。
江戸時代後期の風情に浸りながら、庭園の散策も楽しいひとときを過ごせることと思います。
●営業時間:9:30~17:00 入館受付:16:30
●定休日 月曜日(4~6、10・11月は無休)
●入館料:大人 700円
●ホームページ:http://www.t-cnet.or.jp/~tukada/
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