名所・グルメに出会う旅>山形県山形市

公開日: : 最終更新日:2017/06/15 東北地方

名所編

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山形県は、出羽三山などの名峰、松尾芭蕉の句で著名な山寺や最上川など、季節ごとに様々な表情を見せる自然豊かな地域です。
そして山形市は、山形市は戦国武将の最上義光の拠点として発展し、現在もその面影を残す街並みが残されています。

最上家由来の城「山形城趾」

山形市街地のほぼ中央に位置する約35.9ヘクタールの面積の霞城公園に、山形城跡があります。
山形城は、延文2年(1357年)に最上家初代の斯波兼頼(しば かねより)が築城したと伝えられています。兼頼の子孫はその後「最上」を名のっていき、代々居城しました。
最上家11代目、義光の代に関ヶ原合戦の功績を認められ、五十七万石の大々名となり、実質100万石の城下町として山形が繁栄していきました。

城は、本丸・二ノ丸・三ノ丸の三重の堀と土塁で囲まれており、大規模な輪郭式の平城の造りとなっています。
平成18年(2006年)には「日本百名城」に認定され、桜と観光の名所として人々で賑わいを見せる公園でもあります。
公園周辺には、山形美術館、山形県立博物館、山形市郷土館、最上義光歴史館などの文化施設が点在しています。

登りつめれば、感動が味わえる「山寺」

山寺、正式には「宝珠山立石寺」といい、平安時代初期、慈覚大師が貞観2年(860年)に創建した天台宗の古刹です。
『登らなければ味わえない感動が、そこにあります。』と言われるように、登山口の近くにある「根本中堂」から奥の院まで、歩いて1時間ほど800段以上の石段(一番狭い道は15センチの幅)がつづきます。

「根本中堂」は、立石寺の本堂であり国指定重要文化財で、中心道場の役目を持っています。
ブナ材の建造物としては、国内では最も古いといわれ天台宗仏教道場の形式で、入母屋造りで銅板葺の造りとなっています。
堂内には1200年前に天台宗比叡山延暦寺から移された不滅の法灯が、今も灯されています。

また、堂内には慈覚大師がつくられたと伝えられている木造の「薬師如来坐像」が、安置されています。
山門から奥の院までの参道には、句碑や板碑、たくさんの堂塔があり、奥の院へ行くまでとても神聖な気持ちに心洗われてきます。

松尾芭蕉もこの寺を訪れて『閑さや岩にしみ入る蝉の声』と句を残し、静けさと感動を句に詠んでいるのも頷けます。
入母屋造りで銅板葺の内陣にはブナの建造物としては日本最古を誇ります。
堂内には1200年前に天台宗比叡山延暦寺から移された不滅の法灯が今も灯されています。

山の頂にある奥の院に向かって左側に建つ五大明王を祀る道場、五大堂。
五大堂は、断崖に突き出すようなかたちでお堂が建っており、まるで空中に浮かんでいるような感覚を味わえる場所です。
五大堂から観る景色は壮観そのもので、まさしく景色の名所であると言えます。

グルメ編

山形県は東北地方の内陸から日本海側に面しており、さくらんぼが全国生産量の7割を占める特産のひとつとなっています。
蔵王、月山、鳥海、などの日本百名山の山々に囲まれ、清らかな最上川の流れと広大な庄内平野で育まれた自慢の逸品を山形では楽しむことができます。

直径6メートルの大鍋で作る山形名物「芋煮会」

山形では稲刈りの終わる秋口に食べごろを迎えるのが里芋、その里芋を鍋に入れた「芋煮会」というイベントが山形の風物詩となっています。
「芋煮会」は、およそ300年前から行われており、庄内地域では豚肉を用いる味噌味、内陸では牛肉を用いる醤油風味など、地域により様々な形で伝えられてきました。

芋煮の具材は、里芋、豚肉(牛肉)、葱、キノコ類、コンニャクなどを入れて作りますが、その昔肉は名産品である棒ダラを使用していた時期もあるそうです。
親しい人たちが一堂に会し、河原などの屋外で大きな鍋を囲みながら楽しむ「芋煮会」は、収穫の祝いや地域交流の恒例のイベントとなっています。
毎年9月の第1日曜日には、直径6メートルの大鍋で一度に3万食分を作る「日本一の芋煮会フェスティバル」も開催されており、観光イベントとしても人気があります。

端午の節句の伝統食「庄内笹巻き」

山形の家庭に古くから伝えらる「庄内笹巻き」は、端午の節句に食べる伝統食です。
餅米を笹で巻き包みクルミを入れて煮こんでつくります。
煮方は、水から5時間近く煮る「水煮」、餅米を一昼夜灰汁に浸してから笹の葉で包み煮る「灰汁煮」の2種類があります。

「灰汁煮」は、出来上がりが半透明の飴色をしていて、ねっとりとしたコシの強いゼリーのような味わいです。
笹の香りときな粉のほんのりとした甘み、もちもちとした独特の味わいはとても美味しい逸品です。
笹の巻き方は地域によって違い、一般的なのが薄型三角形の『三角巻き』とテトラパック形の『こぶし巻き』、その他に円錐形の『竹の子巻き』、四角に成形した『なた巻き』、キャンディの形のように包む『つの巻き』という5種類があります。

荘内地域の郷土料理「どんがら汁」

どんがら汁とは、「寒鱈」と呼ばれる脂がのった大きな鱈の身、頭、内臓と一緒に大根、葱、豆腐などを加え味噌で煮込み、仕上げに岩のりを入れる鍋料理です。
白子やアラから美味しい出汁が出る味わいの鍋で、食べる直前に岩のりが入りますので磯の風味が増し食欲をそそります。

どんがら汁の発祥は、庄内地方の漁師たちが魚を余さず丸ごと食べるために考案したと言われています。
どんがら汁は、冬には各家庭で作られる定番の郷土料理として人気があり、毎年冬には「寒鱈まつり」が開催され、そこでは参加者が熱々の湯気が立ちこめるどんがら汁に舌鼓を打ちます。

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