名所・逸品に出会う旅>岩手県盛岡市
公開日:
:
最終更新日:2017/01/19
東北地方
目次
名所編
東北の栄華を誇った城下町「盛岡」。城下町を繁栄させてきたのは、古くは源頼朝に仕え700年以上に渡りこの地を治めてきた南部家です。
古き良き歴史風情を残す城下町、盛岡駅周辺には近代的なビルが建ち並んでいますが、今でも明治・大正ロマンの息吹を感じる建造物が大事に使われています。
今回は、盛岡市の中心部を流れる中津川、岩手公園そばの「中の橋」の東岸に位置する、レトロな洋館たちのご紹介をしていきます。
ロマネスクな「もりおか啄木・賢治青春館」
1910年(明治43年)に第九十銀行本店として誕生してから、金融機関のビルとして長年利用されてきた建物、それが「もりおか啄木・賢治青春館」です。
ヨーロッパ、ロマネスク風のアシンメトリーな洋風建築で、市の有形文化財・国指定重要文化財に指定されています。
現在建物では、盛岡を背景にした石川啄木、宮沢賢治の青春や文学と、当時の文化などを1階では常設、2階では3ヶ月後と変わる企画展で紹介しています。
外観、室内ともに重厚さと上品さの空気が漂っています。特にインテリアのセンスの良さは時代をタイムトリップしているかのようにも感じられます。
館内を一回りして、時代の面影を反芻するなら、銀行営業室を改装した1階の喫茶室「あこがれ」で休憩されながら、明治大正ロマンに想いを馳せるのも良いのではないでしょうか。
●住所:盛岡市中ノ橋通1丁目1-25
●http://www.odette.or.jp/seishunkan/
えっ!東京駅??
1911年(明治44年)建造された「旧盛岡銀行本店」は、「もりおか啄木・賢治青春館」のすぐ近くにあります。
約91万個の赤レンガを積み上げて造られたこの建物は、パッと見た感じはどことなく東京駅に見えてきます。
レトロな外観の建築美の装いが、東京駅に似ているのもそのはず、設計者は東京駅の設計に携わった辰野金吾氏なのです。
建物自体は、辰野氏と一緒に設計事務所を営んでいた盛岡市出身の葛西萬司氏も設計に携わっています。
盛岡銀行の本店として建てられ、その後は岩手殖産銀行本店、岩手銀行本店、同行中ノ橋支店として2012年の100年余りの期間、銀行として建物利用されてきました。
2016年7月17日から、3年6ヶ月かけて修復された建物の一般公開が、いよいよスタートします。
伝統ある建物の外観と内装の素晴らしさは、鑑賞に値する名所であると思います。
●住所:盛岡市中ノ橋通1丁目2-20
●http://www.iwagin-akarengakan.jp/
逸品編
**********************************
盛岡名物と言いますと、お菓子だと「南部せんべい」「かもめの玉子」「小岩井農場クッキー【(レーズン)(マカダミアナッツ(パルメザンチーズ)(ショコラ)風味の4種のクッキー】」そして盛岡の麺文化の観点から言いますと「わんこそば」「じゃじゃ麺」「盛岡冷麺」ではないでしょうか?
今回は、盛岡3大麺のご紹介をしていきます。
「おもてなしの心」から誕生した「わんこそば」
「わんこそば」は、お椀に蕎麦を一啜り分いれたもので、薬味はねぎ、青紫蘇、海苔、白胡麻を使用し、そしてトロロやナメコにまぐろの刺身やいくらなどを箸休めに食べながら食べていきます。
お椀に蕎麦とつゆと入っていて、10~15杯でもりそば1人前の分量です。
盛岡では、昔から大勢のお客さんをもてなすために蕎麦を振舞う習慣があり、一度に大勢の人に茹で立てを食べてもらうため、一啜り分ずつ提供したのが「わんこそば」の原点と言われています。
盛岡郷土料理「じゃじゃ麺」
「盛岡じゃじゃ麺」は、餃子の皮の残りを使って麺を作ったのが発祥です。
きしめんのような平べったい麺を使用して、麺の上に肉味噌、きゅうり、ねぎなどの薬味をのせて、おろし生姜、おろしにんにく、酢やラー油などをお好みでかけて食べる麺の郷土料理です。食べ方としては、肉味噌と薬味と調味料を麺と一緒に良くかき混ぜて食します。とにかく、混ぜて、混ぜて、混ぜるのが「盛岡じゃじゃ麺」の正しい食べ方となっています。
そして、麺を食べ終わるとお約束が「盛岡じゃじゃ麺」にとって、切っても切れない関係にある「チータン(チータンタン)」と呼ばれるメニューです。
これは、「じゃじゃ麺」の皿に茹で汁を入れて卵を落とします。いわゆる仕上げの卵スープとでも言いましょうか?盛岡ではこの「チータン」を食べる事で「じゃじゃ麺」を食べ終えたと言うそうで「じゃじゃ麺」を注文するほとんどの人がこの「チータン」を頼んでごちそうさまをします。
コシが命の盛岡冷麺
盛岡冷麺の麺は、韓国冷麺と違い白くコシのある麺です。歯ごたえは韓国冷麺に似ていて小麦粉、でんぷん、食塩、酒精を練り上げてつくります。ツルッと喉ごしの良さが盛岡冷麺の特徴です。
スープは、牛骨に鶏ガラを加えてだしを取り、透明感のあるスープであることが特徴となっています。コクや旨みがたっぷりとあり、冷たいスープが麺のコシの強さとうまく絡んでとても美味しい逸品。麺とスープとキムチの三位一体感、これぞ盛岡冷麺の美味しさの秘密です。
スポンサーリンク
関連記事
-
-
所・グルメに出会う旅>山形県米沢市
名所編 山形県の南部にある米沢市は、東に奥羽山脈、南に吾妻連峰、西に飯豊連峰と2000m級の山
-
-
宮城県仙台市【名所・逸品に出会う旅】
仙台と言えば、宮城県の県庁所在地、宮城県と言えば言わずと知れた名物「牛たん」。 夏の祭りは「仙
-
-
名所・グルメに出会う旅>秋田県仙北市
名所編 秋田県仙北市と言えば、田沢湖地域、城下町として発展してきた角館地域、乳頭温泉地域など、
-
-
名所・グルメに出会う旅>新潟県
名所編 新潟と言えば、川端康成の名作 『雪国』の舞台の越後湯沢、魚沼産のお米「こしひかり」、そ
-
-
名所に出会う旅>岩手県県南部
岩手県県南部の地域は、世界遺産「平泉」をはじめ、宮沢賢治ゆかりの花巻市、「遠野物語」で知られる民
-
-
究極に癒されるお宿、里山十帖
忙しくてストレスフルな日々を送っている…。 癒されたい!リラックスしたい!という人に、心の底か
-
-
磐梯熱海温泉の金蘭荘に宿泊
去年の秋頃に父と母と妹の4人で、福島県郡山市の磐梯熱海温泉の中の金蘭荘に泊まりに行きました。
-
-
名所・グルメに出会う旅>山形県山形市
名所編] 山形県は、出羽三山などの名峰、松尾芭蕉の句で著名な山寺や最上川など、季節ごとに様々な
-
-
名所・逸品に出会う旅>青森県青森市
名所編 その昔、青函トンネルが完成するまでは、青函連絡船の乗り場が青森にはありました。 今は
-
-
名所・グルメに出会う旅>青森県八戸市
名所編 八戸市は、太平洋に面した青森県の南東部に位置しており、涼しい夏と穏やかな冬という気候の
- PREV
- ミクロネーションという言葉をご存知ですか?
- NEXT
- 名所・逸品に出会う旅>富山県富山市