所・グルメに出会う旅>山形県米沢市

公開日: : 最終更新日:2017/10/11 東北地方

名所編

山形県の南部にある米沢市は、東に奥羽山脈、南に吾妻連峰、西に飯豊連峰と2000m級の山々に囲まれた盆地の地域です。
夏暑く冬寒いという盆地特有の気候で、上杉家の城下町として、数々の史跡と伝統が息づいている街です。

米沢市は、伊達政宗、直江兼続、前田慶次といった戦国武将たちに関連し、上杉家の城下町として歴史を重ねてきました。
上杉神社には上杉謙信公、松ヶ岬神社には上杉景勝公、上杉鷹山公が祀られ、観光スポットとしての役割も果たしています。

上杉家の町、米沢城に伊達政宗は生まれた

米沢城は、豊臣秀吉により召し上げられるまでの約200年、伊達氏の居城であり伊達政宗が生まれた城です。
1598(慶長3)年に、上杉景勝が120万石で入封した際は、家臣である直江兼続が城主を務めたこともある城です。

「関ケ原の戦い」後に、上杉景勝は直江兼続が石田三成と懇意であったことから、上洛を家康に命じられ、最終的には石高を減じられ存続を許され、米沢城は江戸時代を通じて上杉氏の居城として利用されました。

本丸跡は、現在上杉神社の境内となっており、9代目藩主名君の上杉鷹山を祀る松岬神社が隣接されています。

歴史ある上杉家ゆかりの神社「上杉神社」

上杉神社は、1876(明治9)年、上杉家の名将上杉謙信、米沢藩中興の名君である上杉鷹山を祭神として米沢城本丸跡に建立されました。

1902(明治35)年に別格官幣社(べっかくかんぺいしゃ)に指定され、このときに祭神は上杉謙信だけとなり、一緒に祀られていた上杉鷹山は新たに隣接に設けられた「松岬神社(まつがさきじんじゃ)」に祀られました。

上杉神社は、1919(大正8)年に起こった米沢大火で類焼してしまい、ほとんどの建物が焼け落ちてしまいますが、国の援助金と米沢市民の労働奉仕によって、1923(大正12)年に現在の神社が完成しました。

上杉謙信を祀る上杉神社は、この地を治めた歴史ある上杉家にゆかりのある神社として現在でも米沢市民の心の支えとなっており、初詣やお宮参り、結婚式や安全祈願など多くの米沢市民が訪れているそうです。  

境内には、謙信公、直江兼続公、鷹山公の遺品を中心に平安時代から江戸時代までの甲冑、武具、刀剣、書跡、絵画、陶磁器、服飾類など、上杉家ゆかりの文化財を多数収蔵する稽照殿(けいしょうでん)があります。

【※別格官幣社とは、明治政府が定めた国家神道のもとでの社格のひとつで、国に尽力した人物を祀る神社を指します】

グルメ編

山形県米沢市は、戦国時代に伊達氏の本拠地となっていました。
その後、江戸時代から明治までは上杉氏の城下町として栄え、明治の市制施行により、現在の米沢市が誕生しました。

日本三大銘品牛肉「米沢牛」

米沢牛は、松阪牛や神戸牛と並んで日本三大和牛に数えられています。
米沢には、澄んだ空気ときれいな水と寒暖の差が激しい気象条件などを兼ね備え、霜降りの牛肉を作るのに適した環境があり、生産者たちの努力と愛情が銘品「米沢牛」を育て上げています。

旨味ある上質な脂肪分が適度に入った霜降りの米沢牛は、口の中に入れただけで、とろけるような食感を味わえるのが特徴です。
美しい赤身と霜降りの絶妙の色合いは、肉の芸術品とも呼ばれるほどです。

米沢牛の旨味は、ステーキやすき焼きで食べて美味しいのはもちろんですが、寿司などの生の状態で味わうのも格別です。

江戸時代の最高のタンパク源「鯉の甘煮」

昔から鯉は、タンパク質が豊富で重宝がられた食材です。
砂糖と醤油、そしてみりんで鯉を甘く煮たのが「鯉の甘煮」です江戸時代、米沢9代藩主の上杉鷹山は、住民たちのタンパク源にと鯉を養殖することに力を入れました。

それがきっかけとなり、米沢では当時の農家の台所の排水口の場所に池をつくって、台所から流れ出る食料のくずで鯉を養殖したとも言われています。

米沢の冠婚葬祭には欠かせない郷土料理「冷や汁」

「冷や汁」は、米沢の代表的郷土料理のひとつであり、冠婚葬祭などの行事には必ず食卓に供される郷土料理です。

「冷や汁」の材料は、食用菊、雪菜、豆もやし、なめこ、凍みコンニャクなどを茹で上げ、貝柱と干し椎茸のだし汁をかけて食するというシンプルな料理です。

大正時代の屋台から生まれたラーメン「米沢ラーメン」

米沢ラーメンは、細打ちのちぢれ麺と、トリガラ、豚骨、煮干し等を使ったあっさり醤油味のスープのラーメンです。
いわゆる、昔ながらの中華そばを思い起こさせる逸品ですが、それもそのはず発祥は大正時代中国人の屋台からだそうです。

ネギ、チャーシュー、メンマなどオーソドックスな具材の米沢ラーメンですが、その最大の特徴は麺にあり、小麦粉をこねるときに通常より多くの水を加えながら練り上げる「多加水」と呼ばれる製法でつくられています。

この加水率の高い縮れ麺を2、3日寝かせてから、ストレートに切り出して、手揉みでちぢれの細麺を作り上げていきます。

現在「米沢らーめん」を提供する飲食店は、米沢市内に100軒以上あり米沢に訪れたらぜひ味わいたい逸品でしょう。

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