名所・グルメに出会う旅>山口県下関市

公開日: : 最終更新日:2017/12/28 中国地方

名所編

本州の最西端に位置する下関市は、日本海の豊かな自然の恵みが豊富な地域です。
また東部に位置する城下町の長府は、数々の歴史の舞台となっていることから歴史を紐解きながらの散策もでき、とても観光客に人気があります。

明治維新への道を開いた人たちの一人「高杉晋作」

高杉晋作は、1839(天保10)年に、長州藩士高杉小忠太の長男として萩の城下に生まれました。
松下村塾で吉田松陰に入門したのを機に革命戦略家として、その頭角をあらわすようになりました。

1862(文久2)年に、幕府貿易視察団に加わり清国上海に渡り、翌年下関を外国艦から防備するため奇兵隊を結成することになります。
そして高杉晋作は、伊藤俊輔(博文)率いる力士隊と石川小五郎率いる遊撃隊と一緒にわずか80人程度の兵力で、萩藩へ戦いを挑み成功を収め、明治維新への一歩となりました。

その兵を旗揚げしたのが、国宝にも指定されている最古の禅寺様式を残した仏殿のある功山寺です。
鎌倉時代に創建された功山寺は、長府毛利家の菩提寺でもある名刹です。

桜と紅葉の名所としても知られており、境内には馬上姿の高杉晋作義挙銅像が建てられています。

戦国時代の名武将、毛利家が治めた長州藩、長府毛利邸

長府毛利邸は、長府毛利家第14代目当主の毛利元敏が1903(明治36)年完成した邸宅です。
当時、明治天皇の行在所(あんざいしょ)としても使われ、現在もその部屋は残されています。

邸内の庭園は池泉回遊式庭園で、石灯篭や楓の木々に池などが、安らぎの空間を創出しています。
母屋は、武家屋敷造りの重厚な造りとなっていて、新緑や紅葉の季節には庭園の風景美が一段と極まり、和の風情をとても感じさせてくれる場所です。

剣客宮本武蔵と巌流島

小説「宮本武蔵」で有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の地、巌流島は関門海峡に浮かぶ周囲およそ1.6キロの小さな島で、正式名称を船島(ふなしま)といいます。

実は武蔵の自著には、この決闘のことは一行の記述もないことから、巌流島での決闘が本当にあったかは定かでないとも言われています。

それでも、島内には宮本武蔵と佐々木小次郎の像があり、巌流島上陸認定証を発行してくれますので、観光スポットとしておすすめしたい名所です。

唐戸桟橋から、毎日直行便が就航しており、海沿いの散策道からは関門海峡を行き交う多くの船を潮風に吹かれながら間近で見られ、とても雄大な景観に浸るのも旅の一興かと思います。

グルメ編

山口県は三方が海に囲まれた環境で、美しい海岸線といくつもの離島という地形的な特色の県土において、澱みのない清水と緑に育まれた豊かな自然を抱いています。
その地域だからこその逸品をいくつかご紹介していきます。

下関を代表する味覚「ふく料理」

ふぐは、刺身、ふぐ鍋、唐揚げ、雑炊、白子、ひれ酒など様々な楽しみ方があります。

安土桃山時代に多くの武士が、ふぐの毒にあたったことから、それ以降食することを禁じられていましたが、1888(明治21)年に当時の総理大臣である伊藤博文が下関市でふく料理を食したところ、その美味しさから食用を許可したとのことで、全国的に知られるようになったそうです。

山口県では「ふぐ」の事を「ふく」と呼びますが、「ふぐ」では「不遇」、「不具」の発音になって縁起が悪いので、幸福を呼びこむ願いから「ふく」と言われています。

兵士のアイディアから誕生した、下関の麺料理の代表格「瓦そば」

瓦そばとは、熱々に熱した瓦に茶そばと肉や錦糸卵などの具を盛り付け、麺つゆで食べるそば料理です。

瓦そばは、下関市豊浦町の川棚温泉の旅館などを中心に食べられている郷土料理ですが、その発祥は、西南戦争の際に熊本城を囲む薩摩軍の兵士たちが、野戦の合間に瓦を火にかけ野草や肉などを焼いて食べていたという話をヒントに、昭和30年代中頃にレシピが考案されたそうです。

考案者のそのお店では、今でも茶そば、牛肉の細切れ、錦糸卵、海苔、もみじおろし、レモンなどを配し、そばを瓦でそこの部分はほどよくパリパリと焼き上げ、中程は麺本来のコシが味わえる絶妙の食感が楽しめる逸品となっています。

そばと牛肉を一緒に焼き炒めて、麺つゆにつけて食べるというのが食のスタイルです。
現在、地元の家庭では瓦ではなく、フライパンやホットプレートで調理して食べるそうです。

捨てるところが無駄のない美味な魚「あんこう」

見た目はとてつもなくグロテスクな魚のアンコウですが、ビタミンEやコラーゲンが豊富に含まれている「美容と健康」のかたまりのような食材です。

あんこう七つ道具と呼ばれる「身・皮・肝・胃・エラ・卵巣・トモ(ひれ)」を食し、歯や骨以外はほとんど捨てるところがないと言うコスパに富んだ魚です。
あんこうの皮は、特にコラーゲンが多く、ビタミンCも豊富な部位です。

また、身は低カロリーでビタミンB12、B1などのビタミンB群が含まれ、皮膚や粘膜を整え貧血予防にいいそうです。
絶品な部位が、あんこうの肝でその濃厚な味わいはフォアグラに例えられることもあります。

お店によっては、この肝をメインに使って鍋でアンコウを供することもあります。

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