インバウンドに関する一考~外国のお客様をお迎えするにあたって

公開日: : 最終更新日:2016/11/28 その他 旅行・海外に関する話


3年前に、総勢8名で、諏訪湖、上高地、飛騨高山、白川郷、松本、というルートで旅行に行きました。

私の叔母の家族に同行したのですが、叔母は日系二世のアメリカ人と結婚したので、私と叔母以外はアメリカ生まれ。全員ハワイ在住で、この時は3年ぶりの日本旅行ということで、みんなウキウキしていました。

叔母、叔父、従姉、もう一人の従姉とその夫、息子が2人、そして私、というメンバーでした。

叔母は身体があまり健康ではなく、でもそれだからこそ、懐かしい故郷である日本に来て、温泉にゆっくりとつかり、美味しい和食を楽しむことは、叔母の健康維持のためにも必要と、家族全員での日本旅行。そして旅行中、叔母ひとりが通訳や、いろいろな場面で添乗員の役割をするのは負担が大きいからと、叔母と仲が良く、英語でのコミュニケーションも何とかこなす私が「一緒に行ってちょうだい」と頼まれました。

叔母以外の皆は、日本語での日常会話には問題はないけれど、看板や案内など、日本語を読むのは苦手(というよりほぼ無理)で、英語のパンフレットがあれば必ずそちらを受け取る、普通のアメリカ人です。

でも日本生まれの叔母が、ハワイでも日本語を話しながら生活し、子供たちや孫たちを育てたのですから、日本の生活習慣や文化が分からず、ヘンな行動をしてしまうような怖れはありません。そういう意味では、全く苦労はないですし、「あれは何?」「これ、何て書いてあるの?」などと質問された時にすぐ英語で答えてあげられることが、私でも少しは役に立っているかな?と、やっと思える程度でした。

ただ、個人旅行でしたので、それぞれの場所での宿泊先は、日本に来る前、インターネットで事前に予約されていましたが、当日の移動のための電車やバスの時刻を調べるのも、外国人用のパスを使えない場合のチケットを買うのも、全部現地で、その場で人に聞いたりして手配します。

時間をかけさえすれば彼らだけでも何も問題はなく、無事に出来ることばかりでしたが、やはり日本語ネイティブの添乗員役の人間がひとり居る方が、何ごとも素早く、スムーズに物事が進むものだな と思いました。 英語で説明して下さる人ばかり、というわけではなかったので・・・

私にとっても初めて行く土地ばかりだったのですが、印象的だったのが飛騨高山です。

美しい街というのもそうですが、なぜ印象的だったかというと、外国からの観光客に対しての受け入れ態勢が、町全体で既に、よく整っていたからです。

これは、その旅行中に訪問したすべての場所の中で、群を抜いていた、というよりは、ほぼ唯一の「外国のお客様をお迎えする用意が出来ていた」町でした。

土地のかたにお聞きしたところ、飛騨高山はもう何年も前から、外国人観光客のかたにもっと来ていただこうと市が方針を決め、各国語の案内パンフレットや地図など、数か国語のバリエーションで用意し、各所で外国語対応可能の人を配するか、あるいは、外国の人が何か困ったときには、どこで外国語でサポートを受けられるかの情報が提供されていました。

近年、よくインバウンドという言葉を聞くようになりましたが、私たちが訪れた時には、まだそれほどこの言葉は世間に浸透していない時期でしたので、とても感心し、感嘆したのを憶えています。

私たちが泊まったホテルは、重厚な木材がふんだんに使われた、藍染めの大きな暖簾や、ロビーのフローリングの一角には、現代的な生け花や竹製の椅子が和風のおもてなしとしての華を添える、昔ながらの旅館風でありながら、同時に近代的で、機能的な設備(フリーwifiなど)もある、スタッフの皆さんも若い方ばかりで、とても活気のある雰囲気の、居心地の良いホテルでした。

館内の案内は完全にバイリンガルで、どちらかというと、外国人のお客様の比率が高かったような印象があります。
ロビーに大きな世界地図が貼ってあって、小さなピンで、ここに泊まったお客さんたちが、どの国から来たのかを指していったのでしょう、カラフルな小さいピンたちが本当に世界じゅうの様々な場所に刺してありました。

お風呂は二つの内風呂と、一つの露天風呂が扉一枚で行き来できるようになっていたのですが、従姉たちや叔母と旅の疲れを落とすべくのんびりと浸かっていたら、ローマからボーイフレンドと一緒に来たというイタリア人の女性に話しかけられました。
お聞きしたいことがあるのですが、と。

「日本のお風呂では、湯船に入る前に身体を洗わなくちゃいけない、ということだけど、それぞれの湯船に移る時ごとに、毎回、身体を洗わなくちゃいけないんですか?」と聞かれました。
「わからないので、教えて下さい。失礼なことはしたくないから」と言っていて、真剣に悩んでいたそうです。

もちろん、「いちばん最初に、お風呂場へ入ってきた時にいちど洗えばいいんですよ。湯船を移るときにまた洗う必要はありません」とお教えしましたが、たしかに、はっきりとそう教わらない限りは、言葉を如何ようにも解釈できるから、外国の人には難しいところがあるかもな と思いました。
(そんなことを悩んでいたなんて、と可愛らしいなと微笑ましく思いましたが)
これからもっとたくさんの外国のお客様をお迎えするにあたっては、こういった細かい部分にも目を向けて教えてあげるなどして、日本の文化をよく知って行ってもらいたいな、と思いました。

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